大谷石職人であり彫刻家の渡邉哲夫 氏によるデザインです。最近では見かけることが少なくなった大谷石蔵(張り蔵)、アプローチの敷石や古材大谷石オブジェの写真を紹介します。
渡邉哲夫 氏のデザインはこちらの記事でも紹介しております。
大谷石の石蔵(張り蔵)
大谷石の蔵は薄い板状の石を「張る」ものと、ブロック状の石を「積む」ものがあります。写真の蔵は大谷石の板材を張るタイプの蔵です。耐火性がある大谷石の蔵は火災から貴重品を守ることができ古くから人々に利用されてきました。また大谷石に含まれる天然ゼオライトが調湿効果や作物の保管に最適で倉庫としても使用されています。
■使用された大谷石
・細目大谷石 1等品
細目大谷石の中でも特にミソが小さいものだけを使用した1等品です。大谷石はミソが小さいほど良質とされ、価値が上がります。
※細目大谷石は色の変化が少ない石目ですが少し茶色く変化している珍しい事例です。
大谷石の敷石
玄関まで続くアプローチも単調なデザインにならないよう大谷石が敷かれています。大谷石古材(ツル目加工)のオブジェも、置くだけでカッコいいですね。
■使用された大谷石
・荒目大谷石 1等品
荒目は大谷石で最も硬い石目です。摩擦に強いので敷石で使用しても風化しにくい特徴があります。使用用途に応じて、石目を変えることが大谷石を使用する上で重要になります。敷石の場合、ミソが大きいとミソの抜けた穴に足が引っかかるため、中目大谷石や荒目1等品が使用されています。
まとめ
同じ大谷石でも石目が違うだけで仕上がりのイメージが大きく異なることが分かったと思います。使用用途や思い描いているイメージに合わせて大谷石を使い分けてみてはいかがでしょうか。